3.11に思うこと
8年前、我がやの娘は生後9か月。関東でもかなりの揺れを感じた。
数日前から熱が出ていて、なかなか下がらないお熱。
激しく揺れたのは、ちょうどお昼寝の時間。
ただ事ではないと、揺れる階段を娘をかかえて必死でおりた。
身なりもかまわずそのまま外へ出た。
揺れが収まり家へ戻るとまた揺れが。当時アパート暮らしで、地震対策も一切しておらず、家具も倒れていた。
とりあえずの娘のオムツや着替え、数日分の離乳食だけ準備して、近くに住む義実家へむかった。
大きな荷物を両手と背中、前に娘を抱っこ。
すごい格好。けど必死だったから。
都内で働く旦那とは一切連絡がとれず、しばらくしてやっと話すことができた。
渋谷から、当時住んでいた町田まで歩いて帰ってきていると。
途中で自転車を買おうとお店に寄るも、すべて売り切れていたそうだ。
私の動揺が伝わったのか、娘の熱はさらにあがり真っ赤な顔でがんばっていた。
そして深夜、旦那は8時間近く歩き続けて帰ってきてくれた。
こんなにも心の底から安心できる嬉しい「ただいま」を聞いたのははじめてだった。
このときにはニュースでながれる悲惨な現状をみても、現実ではないんじゃないかと恐ろしく思うばかりで、目の前にいる家族のことを思うことしかできなかった。とにかく娘を守らないと、と。
テレビを見ては怖くなり不安ばかりになって、あまり見ないようにしていた。
都庁でオムツを救援物資として受け付けていると聞いて行こうと考えたけれど、9か月の娘を連れて余震があるかもと恐怖の中、電車にのる勇気がなくて…
これまで、3.11をむかえる度に、娘に当時の状況、「お父さんとお母さんはあなたを1番に愛してる」ということ、みんなが苦しんだこと、そしてまだ大変な思いをしている人がいることを伝えてきた。
これから、どんな事で力になれるんだろうか。
震災のニュースを見ていた娘が「風化するってどういう意味?」と聞いてきた。
「消えちゃうこと。みんなが忘れちゃうこと。かな」とこたえた。
「こんな大変なこと、忘れないよね!!ひどいよね!!」
そうだよね!!忘れちゃいけないよね!!
何をしたらいいのか。
忘れないこと。未来ある娘につたえること。簡単に言える事じゃないけれど、力になれることをさがそう。
ずっと苦しんでいる人もいたり、不安で悲しい思いをしている人がいたり。。。
あたたかい気持ちを届けられるよう、わたしに出来ることから考えていこう。
「いま、わたしができること」
ヤフーで「3.11」を検索すると、10円が寄付されるそうだ。
「いま、わたしができること」20数年前、中学生のわたしが戦争を題材とした作文をかいたときに付けたタイトルと同じ。
震災は戦争と同じくらいつらく悲しい。
まだ見つかっていないままの小さな子供たちがたくさんいる。忘れていないからね!!!
子供たちの未来が今よりも明るい未来でありますように。
娘と主人がカレーを作ってくれた。
料理なんてほとんどしたことがない二人。
二人で何やら楽しそうで嬉しかった。カレーは最高に美味しかった。
今日も家族が元気に過ごしてくれていることに感謝します。
ありがとう。
まずは、家族にありがとうからはじめよう。
刺しゅうをするわたしに何ができるのか、本気で考えてみよう。